海外でも知られる「森林浴」の言葉
森林浴が人に与える癒し効果は世界的にも注目されていて、海外では「Shinrinyoku」という言葉がそのまま知られているほどです。森林浴という言葉自体は1982年に当時の林野庁長官によって考案された言葉でした。
1990年代から千葉大学の宮崎良文名誉教授が、森林浴の効果を科学的に研究し、その人体への影響を科学的に紐解くこととなります。宮崎良文教授の研究では、森の中で過ごす「森林浴」によって、実際にメンタルの不調が改善し健康状態に影響を与えるというものでした。
この研究で脳機能や自律神経機能など、様々な指標に森林浴が影響を与えることがわかったのです。その後、世界中でもその知見が広まり「Shinrinyoku」は日本発の研究から生まれた言葉として知られています。
癒し効果の秘密はフィトンチッド
森林浴が体を癒すとされる秘密は、「フィトンチッド」という物質です。森の中に入ると、独特なみずみずしい緑の香りを感じることがあるのではないでしょうか。フィトンチッドとはあの、木が発する香りのもとになっている物質です。
フィトンチッドは、植物が外注から体を守るためなどに自然と発生している物質。そのフィトンチッドが、人体にとっては精神を落ち着け、リフレッシュさせる効果があることがわかっているのです。
無数の植物が共存する森の中では、フィトンチッドが周囲を取り巻いています。このような環境でフィトンチッドに触れることが、ストレスを軽減したり気持ちを安定させる効果があるのです。
このように自然で過ごしてストレスケアをすることは、予防医学としても有効と考えられています。ストレスから起こる様々な現代病も、定期的な森林浴の効果で防ぐことができるかもしれません。
週末の森林浴でフレッシュな自分を保とう
都会にいるとフィトンチッドに触れる機会がなかなかないものです。なんだか疲れてきたな、と思った時は週末、森に出かけてみては。
いつもと違う空気を吸って、フレッシュな自分を取り戻せるはずです。